経審を受けるための絶対条件を解説!
経審を受けるには、有効な建設業許可を持っていることが絶対条件です。許可取得後に経審を申請できる時期や審査基準日との関係、公共工事参入までの流れを解説しています。

経審を受けるための絶対条件を解説!

1|結論:建設業許可の取得は絶対条件

法律上の明確な要件:

 結論からお伝えすると、経審を受けるためには有効な建設業許可を保有していることが絶対条件です。建設業法第27条の23において、経審の対象者は「建設業許可を受けた建設業者」と明確に定められており、許可を取得していない業者は経審を申請することができません。(建設業者 ⇔ 建設業を営む者)


許可取得が「第一歩」である理由:

 公共工事への参入を目指す場合、経審の受審・入札参加資格の取得という手続きはすべて建設業許可の取得を前提として成り立っています。許可なしに経審を申請しようとしても受理されません。したがって、公共工事参入を計画している事業者にとって、建設業許可の取得は最初に取り組むべき最重要ステップといえます。


2|建設業許可とは何か

建設業許可の概要:

 建設業許可とは、建設工事を請け負うために必要な行政庁の許可です。建設業法第3条の規定により、軽微な建設工事(建築一式工事で請負金額1,500万円未満、その他の工事で500万円未満)を除き、建設工事を請け負うためには国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければなりません。


許可の種類と区分:

 建設業許可には以下の区分があります。

区分 内容
大臣許可  2つ以上の都道府県に営業所を設置する場合
知事許可  1つの都道府県内のみに営業所を設置する場合
一般建設業許可  下請契約の総額が一定金額未満の工事を請け負う場合
特定建設業許可 下請契約の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる工事を元請として請け負う場合

 経審許可の種類(大臣・知事、一般・特定)を問わず申請できますが、申請先は許可を受けた許可行政庁となります。

3|許可取得の要件

許可取得に必要な5つの要件:

 建設業許可を取得するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。これらの要件を満たしていなければ、経審への道も開かれません。

要件 内容
経営業務の管理責任者  建設業に関する一定期間以上の経営経験を有する者の常勤
専任技術者  営業所ごとに一定の資格・経験を有する技術者の常勤
財産的基礎  一定の財産的基礎または金銭的信用を有すること
誠実性  請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
欠格要件への非該当  破産者・暴力団関係者等の欠格要件に該当しないこと


一人親方が許可を取得するうえでの注意点:

 一人親方が建設業許可を取得する場合、特に経営業務の管理責任者と専任技術者を同一人物(本人)が兼任できるかどうかが重要なポイントとなります。一人親方の場合、本人がこれらの要件を満たしていれば取得は可能ですが、要件の確認には専門家への相談が有効です。

4|許可取得後に経審を申請できるタイミング

許可取得直後でも申請は可能:

 建設業許可を取得した直後であっても、経審の申請自体は制度上可能です。建設業法には「許可取得後〇か月経過しなければ申請できない」という待機期間の規定はありません。ただし、第1期決算が終了していない場合は、法人であれば設立日、個人であれば創業の日が審査基準日となります。


現実的には1期分の決算完了後が目安:

 実務上は、許可取得後に少なくとも1期分の決算を完了してから経審を申請することが推奨されます。経審の審査基準日は申請する日の直前の決算日に自動的に決まるため、決算実績が蓄積された状態で申請するほうが意味のある評定値を得ることができます。また、第1期決算前に申請した場合でも、決算終了後は新たな審査基準日が生じるため、改めて受審し直す必要があります。


5|審査基準日と許可の関係

審査基準日時点での許可が基本:

 経審の「審査基準日」は、申請する日の直前の事業年度終了日(決算日)となります。原則として、この「審査基準日」時点において有効な建設業許可を保有していることが求められます。


審査基準日後に許可を追加取得した業種も申請可能:

 ただし、審査基準日時点で許可を有していなくても、申請日までに許可を取得した業種については経審を受審することができます。例えば、審査基準日後から申請日までの間に新たに許可業種を追加した場合、その追加業種についても経審の申請対象に含めることが可能です。この点は実務上重要なポイントであり、許可業種の追加を検討している場合は経審のスケジュールと合わせて計画することをお勧めします。


6|許可なしで公共工事に参入できないのか

無許可での公共工事参入は不可:

 建設業許可を取得していない業者は、経審を受審できないだけでなく、そもそも一定規模以上の公共工事を請け負うこと自体ができません。軽微な建設工事(建築一式工事で1,500万円未満、その他500万円未満)については許可がなくても請け負うことは可能ですが、公共工事への本格的な参入を目指すのであれば建設業許可の取得は避けて通れない道です。


下請専門の場合でも許可は重要:

 現在、下請専門で活動している一人親方であっても、請負金額が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請け負う場合は建設業許可が必要です。また、法的義務とまではいえないものの、元請から取引条件として許可の取得を求められるケースも実務上見受けられます。将来的な公共工事参入や事業規模の拡大を見据えるのであれば、早めに許可取得の準備を始めることが得策です。許可取得から経審受審・入札参加資格申請までには相応の時間がかかるため、逆算したスケジュール管理が重要です。

7|許可取得から公共工事参入までの流れ

全体の手続きの流れ:

 建設業許可の取得から公共工事参入までの標準的な手続きの流れを以下のテーブルで整理します。

ステップ 手続き内容 申請先
Step1 建設業許可の取得 許可行政庁(国・都道府県)
Step2 営業開始・工事実績の蓄積
Step3 決算変更届の提出(決算後4か月以内) 許可行政庁
Step4 経営状況分析の申請(Y点取得) 登録経営状況分析機関
Step5 経審の申請・受審 許可行政庁
Step6 経審結果通知書の受領 許可行政庁
Step7 入札参加資格審査の申請 各発注機関
Step8 格付け通知の受領・入札参加 各発注機関


許可の有効期間にも注意:

 建設業許可の有効期間は5年間であり、期間満了前に更新手続きを行わなければ許可が失効します。許可が失効すると経審も受審できなくなり、公共工事への参入資格も失うことになります。許可の更新期限と経審の有効期間の両方を適切に管理することが、公共工事参入を継続するうえで不可欠です。

まとめ:許可取得こそが公共工事参入への出発点

 経審を受けるためには有効な建設業許可の保有が絶対条件であり、許可なしに経審を申請することはできません。建設業許可の取得は、公共工事参入に向けた手続き全体の出発点です。許可取得後は決算変更届の提出・経営状況分析の申請・経審の受審・入札参加資格審査の申請という一連の手続きを計画的に進めることが求められます。許可取得の要件確認から公共工事参入までの手続きについては、専門の行政書士へお気軽にご相談ください。