技術職員数、資格の種類がP点に与える影響を解説!
経審のZ点は、技術職員数と元請完成工事高で決まる技術力評価です。資格区分ごとの配点や技術職員として申請できる要件、1級監理受講者で高得点を狙う方法まで解説しています。

技術職員数、資格の種類がP点に与える影響を解説!

1|Z点(技術力)の基本的な仕組み

Z点とはどのような審査項目か:

 Z点とは、経営事項審査(経審)においてP点を構成する5つの審査項目のうち、建設業者の技術力を評価する項目です。P点全体に対するウエイトは25%であり、X1(完成工事高)と並んで最も高いウエイトを占めています。技術力の高い事業者ほどP点が上がる仕組みとなっており、資格取得や技術職員の確保がP点向上に直結する重要な要素です。


Z点の計算式:

 Z点は、以下の計算式によって算出されます。

Z評点 ={技術職員の数の点数(Z1)×0.8}+{元請完成工事高の点数(Z2)×0.2}

(小数点第1位四捨五入で計算)

 Z点の80%を技術職員数(Z1)が占め、残りの20%を元請完成工事高(Z2)が占める構成となっています。したがって、技術職員数および保有資格の内容がZ点の大部分を決定するといっても過言ではありません。


2|技術職員数値の計算方法

技術職員数値とは何か:

 Z1の算出にあたっては、まず「技術職員数値」という指標を計算します。これは単純な技術職員の人数ではなく、各職員の保有資格の等級に応じた点数を合算した数値です。保有資格が上位であるほど1人あたりの配点が高くなるため、少人数であっても上位資格保有者が多ければ高い技術職員数値を得ることができます。


技術職員数値の算出式:

 技術職員数値は以下の算式で求めます。
 なお、1人の技術職員につき技術職員として申請できる業種は最大2業種までとされています。

技術職員数値 =(①の人数×6)+(②の人数×5)+(③の人数×4)+(④の人数×3)+(⑤の人数×2)+(⑥の人数×1)


区分 点数 主な資格・要件
①1級監理受講者  6点 1級技術者のうち、監理技術者資格者証を保有し、かつ審査基準日前5年以内に講習を受講した者。
②1級技術者  5点 1級国家資格者(1級施工管理技士、1級建築士など)で、上記①以外の者。
③ 監理技術者補佐  4点 主任技術者の資格を有し、1級技士補である者、または監理技術者資格を有する者。
④ 基幹技能者・レベル4  3点 登録基幹技能者講習を修了した者、または能力評価基準レベル4の建設技能者。
⑤2級技術者・レベル3  2点 2級国家資格者(2級施工管理技士、2級建築士など)、または能力評価基準レベル3の建設技能者。
⑥ その他技術者  1点 10年の実務経験者や、特定の資格(2級技士補など)を有する者。

 技術職員1人あたりの配点は、保有資格の種類と等級によって1点から6点まで段階的に設定されています。監理技術者資格者証を保有し講習を受講した1級技術者が最高の6点と評価され、その他技術者が最低の1点となっています。


配点の差がP点に与える影響:

 たとえば、2級技術者(2点)を1人追加するよりも、既存の1級技術者が監理技術者講習を受講して1級監理受講者(6点)に区分が上がる方が、技術職員数値の増加幅は大きくなります。資格のアップグレードや講習の受講はコストを抑えつつP点を向上させる効率的な手段であり、一人親方自身が上位資格の取得を目指すことがZ点向上の近道となります。

3|技術職員として申請するための要件

雇用期間の要件:

 技術職員として経審に申請するためには、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、かつ雇用期間を特に限定することなく常時雇用されていることが必要です。したがって、審査基準日の直前に雇用した技術者は、6か月を超えるまで技術職員として申請することができません。新たに技術者を雇用する場合は、申請時期から逆算して早めに雇用を開始する必要があります。


常勤性の確認:

 技術職員は常勤の職員でなければなりません。派遣社員は雇用契約が存在しないため申請できません。出向社員については、出向元との雇用関係の確認、出向期間の定めがないこと、給与を出向先が負担していること、出向元で経審の対象となっていないことの4要件をすべて満たす場合に限り、申請が認められます。


4|1級監理受講者(6点)になるための条件

監理技術者資格者証の取得:

 1人あたり最高の6点評価を受けるためには、1級国家資格者であることに加え、監理技術者資格者証の交付を受けていることが必要です。監理技術者資格者証は、一般財団法人建設業技術者センターに申請することで取得できます。資格者証に記載された建設業の種類が、申請業種と合致していることも要件となります。


監理技術者講習の受講要件:

 さらに6点評価を受けるためには、審査基準日以前(審査基準日を含む)の5年以内に監理技術者講習を受講していることが必要です。講習の有効期間は、受講した日の属する年の翌年から5年間です。5年ごとに講習を受講することで継続的に6点評価を維持できるため、計画的な受講スケジュールの管理が重要です。


5|2業種申請の活用と注意点

2業種申請の仕組みと効果:

 1人の技術職員につき、保有資格に対応する業種の中から最大2業種を選択して申請することができます。たとえば1級土木施工管理技士を保有している場合、「土木一式工事」と「とび・土工・コンクリート工事」の2業種を選択してそれぞれの業種のZ1評点に加算することが可能です。この仕組みを活用することで、少ない人数でも複数業種のZ点を底上げできます。


業種選択における注意点:

 2業種の選択はあくまで経審のZ評点への加点のみを目的としており、選択しなかった業種の工事現場における主任技術者・監理技術者としての配置には影響しません。また、毎年度自由に業種の選択を変更することが可能であるため、申請業種の変化に合わせて柔軟に対応することができます。


まとめ:資格取得と講習受講がZ点向上の最短ルート

 技術職員数はZ点(ウエイト25%)のうち80%を占めるZ1評点に直結しており、P点全体への影響が非常に大きい項目です。1人あたりの配点は保有資格の種類によって1点から6点まで差があり、1級資格の取得・監理技術者資格者証の保有・監理技術者講習の受講を組み合わせることで最大評価を得ることができます。一人親方がP点を効率よく引き上げるためには、まず自身の資格をアップグレードし、講習を計画的に受講することが最も費用対効果の高い戦略です。具体的な申請業種の選択や試算については、ぜひ行政書士にご相談ください。